米Washington大学医療センターのWendy B. DeMartini氏らは、乳癌既往歴を持つ女性に対する年1回のスクリーニングの際に、マンモグラフィーに加えてMRI検査を行うことを支持する研究結果を米放射線学会(RSNA)で2010年11月29日に報告した。

 米癌協会(ACS)の現行のガイドラインは、遺伝的な素因を有する、または、強力な家族歴があり乳癌の生涯リスクが20%を超える女性を対象に、毎年のスクリーニングに乳房MRI検査の実施を推奨している。一方で、乳癌の既往歴がある女性については、MRIスクリーニングを推奨すべきかどうかを判断できるほど十分なエビデンスはない、としている。

 DeMartini氏らは、ガイドラインが適応としている女性と、乳癌既往女性に対するMRI検査の有効性を調べるために、後ろ向き研究を行った。得られた結果は、MRIスクリーニングの乳癌検出における有用性は、遺伝的な素因を有する、または強力な家族歴がある集団に比べ、乳癌歴を持つ集団で高いことを示唆した。

 2004年1月から2009年6月にMRIを用いたスクリーニングを初めて受けた女性1026人を分析対象とした。うち327人は遺伝的素因または強力な家族歴を有し、646人は乳癌既往歴を持っていた。

 1026人中27人が乳癌と診断された。MRI検査で陽性となったのは、それらのうちの25人で、感度は92.6%だった。

 乳癌と診断されたのは、癌既往者の3.1%、遺伝的素因/強力な家族歴あり群では1.5%で、それぞれのグループにおけるMRI検査の特異性は93.6%と86.3%になった。特異性が高いほど、偽陽性となって別の検査や生検を受ける女性は少なくなるため、この点においてMRI検査の利益は乳癌既往者でより高いと考えられた。

 DeMartini氏らは、ガイドラインを変更するためには、同様の研究をさらに行って今回の結果を確認する必要があると述べている。