米Amgen社は11月18日、固形腫瘍で骨転移を有する患者の骨関連事象(SRE)を予防する、初めてかつ唯一の抗RANKL(NFκB活性化受容体リガンド)抗体として、米食品医薬品局(FDA)がdenosumabを承認したと発表した。

 denosumabは、FDAによる6カ月間の優先審査を受けた後、承認された。ただし、多発性骨髄腫患者のSREの予防は適応に含まれない。

 RANKLは破骨細胞の形成、機能、生存に必須の蛋白で、RANKL経路は癌腫に関わらず、癌が引き起こす骨破壊の中心的な役割を果たすと考えられている。完全ヒト型モノクローナル抗体のdenosumabは、RANKLに結合して破骨細胞表面にある RANKLの受容体(RANK)の活性化を妨げ、骨破壊を減少させる。

 今回の承認は、denosumabとビスホスフォネート製剤ゾレドロン酸(以下、ゾレドロン酸)を直接比較した3件のフェーズ3試験の結果に基づく。denosumabは4週ごとに120mgを皮下注射し、ゾレドロン酸は4週ごとに15分かけて静脈注射した。denosumabの投与は、50を超える癌腫、5700人を超える患者に行われ、ゾレドロン酸と比較して、SREの予防において臨床的に重要な改善をもたらすことが証明された。特に乳癌や前立腺癌で骨転移を有する患者のSREのリスクが低下し、優越性は3件の試験の統合解析でも示された。他の固形腫瘍による骨転移や多発性骨髄腫による骨病変がある患者では、SREのリスクの低下についてゾレドロン酸に対する非劣性が示され、むしろ優越性を示す傾向にあった。

 有害事象および重篤な有害事象の発現率はdenosumabとゾレドロン酸で同様だった。顎骨壊死の発現は稀で、両群に統計学的な有意差はなかったが、低カルシウム血症はdenosumabを投与した群で多く認められた。3件の試験の全生存期間および無増悪生存期間は両群で同様だった。

 Carlina Urologic Research Centerの所長、Neal D. Shore氏は「前立腺癌患者の約70%は骨転移を有するが、これらの患者は骨転移による合併症を予防する治療を受けることができなかった。denosumabは基本的に月に1回の皮下注射で、腎機能の変化に合わせた用量調整が不要のため、治療選択肢が増え、治療する泌尿器科医にとっても利用しやすいと考えられる」と話した。

 骨転移を有する患者の経済的な負担は米国だけでも年間1兆円を超える。denosumabはSREの発現だけでなく、関連する医療費も減少させる可能性がある。

 Amgen社はdenosumabの販売承認申請を欧州連合、オーストリア、カナダ、スイスで行っている。日本では、第一三共がdenosumabの開発・販売を行う独占的権利を得ており、8月に販売承認申請が行われている。