ヒト化抗DR5(death receptor5)モノクローナル抗体CS-1008Tigatuzumab)の日本人固形癌患者を対象としたフェーズ1試験で有望な結果が得られた。患者は10mg/kgまで十分に投与に耐えることができ、一部の患者で抗腫瘍効果が認められた。成果は11月16日から20日にドイツベルリンで開催された第22回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで、国立がん研究センター中央病院の軒原浩氏によって発表された。

 CS-1008は、現在ゲムシタビンとの併用で膵癌を対象に、ソラフェニブとの併用で肝細胞癌を対象にフェーズ2試験が行われている。DR5は多くの癌で発現が見られるという。

 フェーズ1試験は週1回2mg/kg投与群(3人)、週1回4mg/kg投与群(3人)、週1回6mg/kg投与群(3人)、2週間ごとに1回8mg/kg投与群(3人)、3週間ごとに1回10mg/kg投与群(3人)として行われた。全部で15人の患者の年齢中央値は57歳(30-74)で、男性が7人だった。癌種は膵癌(4人)、食道癌(3人)などだった。平均既治療レジメン数は2.9(1-6)だった。

 試験の結果、どの用量の投与群でも用量制限毒性(DLT)は見られなかった。6人以上の患者で発現した副作用はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの上昇、血清中アルブミンの減少、発熱だった。グレード3以上の副作用は認められなかった。2人の患者が重篤な副作用を発現したが、病状の進行によるものと判断された。

 奏効例はなかったが、3人の患者(膵癌、非小細胞肺癌、肝内胆管癌)で病勢安定が見られた。5人の患者でDR5の発現が調べられ、DR5が強く発現した1人の患者はSDとなり、その期間は261日と長かった。