経口選択的ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)1/2阻害剤MK-4827が進行固形癌を対象にしたフェーズ1試験で有望な結果が得られたことが明らかとなった。散発性癌、BRCA遺伝子に変異を有する癌で安全性と抗腫瘍効果が確認された。成果は11月16日から20日にドイツベルリンで開催されている第22回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで、英Royal Marsden NHS Foundation TrustのS.K.Sandhu氏によって発表された。

 PARP阻害剤はDNA修復機構を阻害することで抗腫瘍活性を発揮する。特にBRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子に変異を持つ癌で効果が高いことが期待されている。

 フェーズ1試験は59人の進行固形癌患者を対象に行われた。46人が女性で年齢中央値は56歳(35-74)。23人がBRCA遺伝子に変異を有する患者だった。全身療法の治療歴が1から2レジメンの患者は5人、3レジメンが11人、4レジメン以上が40人だった。

 患者には1サイクルを21日として、1サイクル目だけ1日1回MK-4827を1日目から21日まで投与し、2サイクル目からは連日投与された。投与量は10段階に分けられ、30mg群に6人、40mg群に3人、60mg群に7人、80mg群に6人、110mg群に5人、150mg群に6人、210mg群に6人、290mg群に5人、300mg群に9人、400mg群6人とされた。

 用量制限毒性は4人の患者で見られた。30mg群の1人でグレード3の倦怠感、60mg群の1人で回復可能なグレード3の肺炎、400mg群の2人でグレード4の血小板減少症が認められた。この結果、最大耐量(MTD)は300mgとなった。その他のグレード1、2の薬剤関連副作用は倦怠感、食欲不振、吐き気、骨髄抑制などだった。

 抗腫瘍効果は、散発性癌、BRCA遺伝子変異を有する癌の両方で認められた。9人の卵巣癌患者、2人の乳癌患者で部分奏効(PR)が見られた。また、4人の患者(卵巣癌患者が2人、非小細胞肺癌患者が2人)では120日以上の病勢安定(SD)が得られた。PR患者のうち9人、SD患者のうち2人がBRCAに変異があった。