抗HER3ヒトモノクローナル抗体製剤U3 1287(AMG888)の進行固形癌を対象にしたフェーズ1試験で有望な結果が得られた。安全性に問題はなく一部の患者で抗腫瘍活性が確認された。成果は11月16日から20日にドイツベルリンで開催されている第22回EORTC-NCI-AACR Symposium on Molecular Targets and Cancer Therapeuticsで、米Barbara Ann Kamanos Cancer InstituteのP.LoRusso氏によって発表された。

 HER3の過剰発現は多くの固形癌で起きており、予後不良、生存期間の短さと関連があると考えられている。U3 1287は米Amgen社と第一三共が共同して開発を進めている。

 フェーズ1用量増多試験は、HER3を発現していると推測される進行固形癌患者を対象に行われた。U3 1287は静脈内に投与された。2回目の投与は初回投与の3週後に行われ、3回目以降の投与は2週間おきに行われた。投与量は、0.3mg/kg(3人)、1mg/kg(3人)、3mg/kg(5人)、6mg/kg(4人)、9mg/kg(4人)、14mg/kg(4人)、20mg/kg(3人)の7段階に分けられた。26人の患者の既治療レジメン数中央値は6(2-13)で、男性が19人、年齢中央値は56.5歳(39-75)だった。癌種は大腸癌18人、乳癌3人、非小細胞肺癌3人、小細胞肺癌1人、卵巣癌1人だった。

 患者の投与を受けた回数の中央値は2回(1-8)だった。25人の患者が投薬を中止しており、その内訳は病状進行が23人、副作用によるものが1人、インフォームドコンセントの撤回が1人だった。グレード3以上の副作用は46%にあたる12人で認められ、そのうち1人が薬剤に関連したもの(グレード3の低リン血症、3mg/kg群)であるとされた。2人のグレード5があったが呼吸不全と病状進行によるものと判断され、薬剤には関連なしとされた。薬剤に関連した重篤な副作用、用量制限毒性は見られず、最大耐量には到達しなかった。注射関連反応や中和抗体の出現は見られなかった。

 6人の患者(1mg/kg群1人、6mg/kg群2人、9mg/kg群2人、20mg/kg群1人)で8週以上の病勢安定(SD)が確認された。1人が非小細胞肺癌で5人が大腸癌だった。