HPV陽性の頭頸部腫瘍患者に全身性の化学療法と放射線治療を適用すると、生存率が高まることは既に示されていた。米Georgetown Lombardi総合がんセンターの研究者たちは、抗上皮成長因子受容体抗体セツキシマブと放射線治療を併用した場合にも、HPV陽性患者の転帰は良好である可能性を示した。詳細は、カリフォルニア州で10月31日から11月4日まで開催される米放射線腫瘍学会(ASTRO)の年次総会で報告される予定だ。

 研究者たちは、2007年から09年に、分子標的治療薬であるセツキシマブと強度変調放射線治療IMRT)を併用する治療を受けた頭頸部扁平上皮癌患者20人(年齢の中央値は63歳)の臨床データと採取された標本の分析結果を照らし合わせて、HPV感染の有無と生存利益の関係を調べた。

 対象となった患者のうち6人はステージIII、14人はステージIVaと診断されていた。原発部位は、口腔が1例、中咽頭が12例、下咽頭が1例、喉頭が5例、不明が1例。IMRTは7〜8週間、セツキシマブ治療は中央値7回実施されていた。

 中央値19カ月の追跡の間に4人が死亡し、12人の病気が進行した。無増悪生存率は、HPV陰性者に比べHPV陽性者で有意に高かった。割り付けから1年後の無増悪生存率はHPV陽性者が100%、陰性者は31%。2年後はそれぞれ60%と23%だった(P=0.05)。

 統計学的に有意にはならなかったが、全生存率もHPV陽性者で良好である傾向が見られた。1年全生存率は100%と83%、2年では100%と71%だった(P=0.12)。これらの生存利益は、病期、リンパ節転移の有無、原発部位、放射線治療期間に関わりなく認められたという。