中外製薬は、ALK融合遺伝子を持つ非小細胞肺癌(NSCLC)を対象にALK阻害剤であるAF802のフェーズ1/2試験を9月から開始した。10月22日に行った2010年12月期第3四半期決算発表の中で明らかにした。

 ALK融合遺伝子は、細胞内骨格タンパク質をコードするechinoderm microtubule associated protein-like 4(EML4)遺伝子と、受容体型チロシンキナーゼをコードするALK遺伝子が染色体転座により融合した遺伝子。NSCLC患者の約4%にこの遺伝子が存在し、これらの患者では上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)に対する反応が乏しいことが分かっている。またALK 融合遺伝子を肺胞上皮で特異的に発現するトランスジェニックマウスには強力な癌化能があり、ALK融合遺伝子陽性肺癌の主な発癌原因であること、ALK阻害剤の投与により多くのマウスで癌が消失したことが確認されている。

 ALK阻害剤の臨床試験は、ファイザーも行っている。PF-02341066(crizotinib)の推奨用量による拡大試験で、奏効率と病勢コントロール率(DCR)において良好な結果が示されたことが報告されている。

 AF802は中外製薬が創生した化合物。フェ−ズ1/2試験では1日あたり40mgから600mgの量を1日2回経口で投与する。フェーズ1試験は前化学療法を2レジメン以上受けた患者を、フェーズ2試験は前化学療法を1レジメン以上受けた患者を対象に行うという。