米Amgen社は、2010年10月4日、転移性大腸癌患者に対する第一選択または第二選択として、完全ヒト抗EGFRモノクローナル抗体製剤パニツムマブを化学療法(FOLFOXまたはFOLFIRI)と併用したPRIME 203試験とPRIME 181試験の結果が、Clinical Oncology誌電子版に2010年10月4日に報告されたことを明らかにした。

 これら多施設フェーズ3はいずれも、KRAS変異の有無を調べるための生検標本が入手できる患者を登録し、1対1でパニツムマブと化学療法または化学療法のみに割り付け、KRAS変異なし患者群と変異あり患者群に分けてintention-to-treatで分析したもの。どちらの結果も、パニツムマブを併用されたKRAS変異のない大腸癌患者における無増悪生存期間の有意な延長を示した。

 仏Centre Rene GauducheauのJean-Yves Douillard氏らが行った203試験は、化学療法歴の無い転移性大腸癌患者に、第一選択としてFOLFOX4(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)とパニツムマブを併用したもので、1183人の患者を登録し、これらの併用(593人)またはFOLFOXのみ(590人)に割り付けていた。

 KRAS変異なしグループでは、主要エンドポイントに設定された無増悪生存期間の中央値は、併用群が9.6カ月、FOLFOXのみ群が8.0カ月で、ハザード比は0.80(95%信頼区間は0.66-0.97、P=0.02)となった。

 2次エンドポイントに設定されていた全生存期間は、併用群が23.9カ月、FOlFOXのみ群が19.7カ月で、ハザード比は0.83(0.67-1.02)。

 KRAS変異なしグループでは奏効率も併用群で高かった(55%と48%)。

 一方、KRAS遺伝子に活性化変異を有する患者では、無増悪生存期間は併用群のほうが有意に短かった。中央値は併用群が7.3カ月、FOLFOXのみ群は8.8カ月、ハザード比は1.29(1.04-1.62、P=0.02)。

 ベルギーAntwerp大学病院のMarc Timothy氏らによって行われた181試験は、化学療法歴を有する患者1083人を登録、パニツムマブとFOLFIRI(フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン)の併用(541人)またはFOLFIRIのみ(542人)に割り付けていた。

 KRAS変異なしグループの無増悪生存期間は、併用群5.9カ月、FOLFIRIのみ群3.9カ月で、ハザード比は0.73(0.59-0.920)となった。

 全生存期間の中央値は14.5カ月と12.5カ月で、ハザード比は0.85(0.70-1.04)。

 奏効率は併用群35%、FOLFIRIのみ群10%で、パニツムマブ併用の有効性を示した。

 一方、KRAS変異陽性患者では、パニツムマブの併用は、無増悪生存期間、全生存期間のいずれにも有意な影響を与えていなかった。

 得られた結果は、KRAS変異なし患者に対する第一選択、第二選択としてのパニツムマブの忍容性と有効性を示唆した。