HER2陰性、ホルモン受容体陰性のいわゆるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者のBRCA遺伝子変異を解析したところ、19.5%の患者が変異を持ち、変異のある患者は再発のリスクが有意に低かったことが発表された。10月1日から米National Harborで開催された2010Breast Cancer Symposium(ASCO Breast)でUniversity of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのA.M. Gonzalez-Angulo氏らが発表したもの。

 研究グループは、同センターで1997年から2006年にTNBCと診断された77人の患者の原発巣からDNAを抽出、BRCA1/2遺伝子のエクソン領域/フランキング領域の遺伝子配列を解析した。患者の年齢中央値は51歳(27-83)だった。

 解析の結果、BRCA遺伝子の変異を持つ患者は15人(19.5%)だった。15人のうち12人がBRCA1に変異を持ち、そのうちの1人は体細胞変異だった。BRCA2に変異を持つ患者は3人だった。BRCA遺伝子に変異がない野生型のTNBC患者に比べて、BRCA遺伝子に変異のある患者は年齢が若い傾向があった(p=0.005)。核グレード、組織学的、病理学的病期には差はなかった。1人の患者を除いて、アントラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤の術後補助化学療法を受けていた。

 観察期間中央値43カ月(7-214)で、33人(42.9%)が再発し、35人(45.5%)が死亡した。2人の患者は再発なしの死亡だった。野生型の患者の5年無再発生存率(RFS)は51.7%だったのに対して、変異型の患者の5年RFSは86.2%だった(p=0.031)。5年全生存率(OS)は、野生型が52.8%だったのに対して、変異型は73.3%(p=0.225)だった。患者背景で調整すると、変異型患者は野生型患者に比べて有意にRFSが良かった。ハザード比は0.19(95%信頼区間 0.045-0.79)、p=0.016だった。