乳癌におけるドセタキセルの投与量は欧米では100mg/m2だが、日本では60mg/m2から75mg/m2に限定されている。しかし、日本人の早期乳癌患者でもドセタキセル100mg/m2の3サイクル投与が安全に行える可能性が明らかとなった。自治医科大学で手術可能な52人の乳癌患者に投与した例をレトロスペクティブに解析した結果示されたもの。成果は10月1日から米国National Harborで開催された2010Breast Cancer Symposium(ASCO Breast)で自治医科大学の穂積康夫氏が発表した。

 穂積氏らは、手術可能な乳癌患者52人(年齢は26歳から60歳、全員がPS0、ホルモン受容体陰性患者が33人、HER2陽性患者が21人)に術後補助化学療法(17人)または術前補助化学療法(35人)としてFEC100(5FU500mg/m2、エピルビシン100mg/m2、シクロフォスファミド500mg/m2)レジメンを3週おきに3サイクル投与した後、ドセタキセル100mg/m2を3週おきに3サイクル投与(18人の患者ではトラスツズマブも投与)した患者のデータを、レトロスペクティブに解析した。なお患者には、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の予防的な投与は行わなかった。

 その結果、4人の患者が投与中止となったが、うち2人は病状の進行による中止で、2人はアレルギー性の毒性だった。投薬の遅延が7人で必要だったが、用量の低減が必要だったのは1人だけで、G-CSFの投与が必要となったのも2人だけだった。発熱性好中球減少症が7人の患者で起きたが、入院が必要だったのは2人のみだった。発熱性好中球減少症を起こした患者には、次サイクルで予防的に抗菌薬が投与された。非血液学的な毒性で重篤(グレード4)なものはなかった。