HER2陽性の高齢乳癌患者の術後補助療法として、トラスツズマブの単独投与の効果を確認することを目的とした無作為化試験RESPECTN-SAS BC07)の患者登録が、ここ数カ月で本格化していることが明らかになった。名古屋大学大学院医学系研究科化学療法学の澤木正孝氏が語ったもの。澤木氏は10月1日から3日に米国National Harborで開催された2010Breast Cancer Symposium(ASCO Breast)でRESPECT試験の概要を発表した。

 HER2陽性乳癌の術後補助療法は、トラスツズマブと化学療法の併用が標準的な方法とされている。しかし、高齢者においては、より安全でQOLが維持できる可能性があるトラスツズマブ単剤投与が期待されている。RESPECT試験は、トラスツズマブ単剤投与とトラスツズマブ、化学療法併用投与で術後補助療法としての効果と副作用、QOLを比較しようというもの。インフォームドコンセントの得られなかった患者を対象にしたコホート研究も予定されている。

 RESPECT試験は、70歳から80歳の高齢HER2陽性乳癌患者を術後トラスツズマブ単独投与を1年間受ける群(150人)とトラスツズマブの1年間投与と化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル、ACレジメン、ECレジメン、CMFレジメンのいずれかを選択)を受ける群(150人)から構成されている。主要評価項目は無病生存期間(DFS)。

 現在までに国内の約60施設が試験に参加しているという。患者の登録は4年間で行い、3年間フォローアップを行う計画だ。