スイスHoffmann-La Roche社は9月24日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、ベバシズマブと化学療法を併用したRIBBON-1試験のデータを基に、転移性乳癌のファーストライン治療として、ベバシズマブとパクリタキセルもしくはドセタキセルの併用療法の有効性とリスクに関し、再審査を開始したと発表した。

 欧州でベバシズマブは転移性乳癌患者のファーストライン治療として、E2100試験に基づいて2007年にパクリタキセルとの併用が、Avado試験に基づいて2009年にドセタキセルとの併用が承認されている。今回の審査によってCHMPは、ベバシズマブの承認の継続、変更、取り下げのいずれかを勧告することになる。ただし同社は、今回の審査は、現在のところベバシズマブの使用に影響しないとしている。

 同社はRIBBON-1試験に基づいて、既に承認を得ているパクリタキセル、ドセタキセルに加え、カペシタビンの適応拡大承認を申請していた。適応拡大に関しては、今年中にCHMPの結論が得られる見込みだ。

 RIBBON-1試験は、化学療法による治療経験がない転移性HER2陰性乳癌患者1237人を対象とした無作為化フェーズ3試験で、化学療法のみの群と化学療法とベバシズマブを併用した群を比較した。化学療法薬には、タキサン系抗癌剤もしくはアントラサイクリン系抗癌剤、カペシタビンが使用され、その結果、どの薬剤でもベバシズマブとの併用で無増悪生存期間の延長が示された。

 なお、EMAは9月24日のプレスリリースで、これまでの試験の結果と比べ、RIBBON-1試験によって、特に効果に関して一致しない点が認められるとしている。

 米国では乳癌に対するベバシズマブの適応について、2010年7月20日に食品医薬品局(FDA)の癌治療薬諮問委員会(ODAC)が承認取り消しを勧告している。FDAは9月17日までとした審査期間を90日間継続するとしている。