ドイツBoehringer Ingelheim社は9月17日、進行または転移性の乳癌患者を対象に経口の新規チロシンキナーゼ阻害剤BIBW2992(afatinib)を評価する初のフェーズ3の臨床試験「LUX-Breast 1」を開始することを発表した。

 HER2陽性の乳癌は、HER2陰性の乳癌と比べて進行と死亡のリスクが高く、進行乳癌患者の約30%はHER2陽性と見られている。afatinibは、腫瘍の増殖と転移に関与する上皮成長因子受容体(EGFR/HER1)とHER2の両方を不可逆的に阻害する薬剤だ。

 LUX-Breast 1は、グローバルに行われる非盲検、無作為化のフェーズ3試験。過去の試験において、トラスツズマブで治療した後に進行を認めたHER2陽性の乳癌患者で良好な忍容性と有望な早期の奏効が示されたことから、今回の実施が決定された。

 LUX-Breast 1では、HER2陽性の乳癌でトラスツズマブによる前治療を受けた後に進行した患者を対象とし、標準化学療法のビノレルビンにトラスツズマブまたはafatinibを追加して無増悪生存期間(PFS)を検討する。全生存期間、忍容性、安全性も併せて評価する。

 なお、afatinibについては非小細胞肺癌(NSCLC)に対するフェーズ3試験のプログラムも進められている。その一つ、LUX-Lung 1では、EGFR阻害剤による前治療を受けたNSCLC患者のセカンドライン以降の治療としてafatinibとプラセボを比較しており、年内に結果が報告される予定だ。またLUX-Lung 3では、EGFR変異を認める局所進行または転移性のNSCLC患者のファーストライン治療として、afatinibの単剤療法と標準化学療法であるシスプラチンとペメトレキセドの併用療法とを比較し、有効性と安全性を評価している。