mTOR阻害剤であるエベロリムスが進行肝細胞癌(HCC)に有効である可能性が報告された。フェーズ1/2試験の結果示されたもの。成果は9月10日から12日にカナダモントリオールで開催された第4回International Liver Cancer association(ILCA)年会で、米Massachusetts General Hospital Cancer CenterのAndrew X Zhu氏が発表した。

 進行HCC患者を対象に実施された臨床試験は、まずフェーズ1試験としてエベロリムス5mgを毎日投与する群(3人)と10mgを毎日投与する群(6人)に分けて行われた。10mg群でグレード3のリンパ球減少症が1人見られただけだったことから、エベロリムス10mgを毎日投与する方法でフェーズ2試験が25人の患者で行われた。このうち10人がソラフェニブの投与を受けた経験があった。

 フェーズ2試験の結果、1人(4%)で部分奏効(PR)が認められ、安定状態が10人(40%)で確認された。疾患制御率(DCR)は44%だった。7人(28%)の患者で血中AFP値が50%以上減少した。無増悪生存期間(PFS)中央値は3.8カ月(95%信頼区間:2.5-4.6)、無増悪期間(TTP;Time to progression)中央値は3.9カ月(95%信頼区間:2.5-5.5)、全生存期間(OS)中央値は8.4カ月(95%信頼区間:3.9-21.1)。24週時点でのPFS率は28.6%だった。

 ソラフェニブの投与の経験のある患者のPFS中央値、TTP中央値、OS中央値は、それぞれ3.4カ月、5.5カ月、7.9カ月で、経験のない患者のPFS中央値、TTP中央値、OS中央値は、それぞれ3.8カ月、3.8カ月、8.4カ月だった。

 一方、多く見られた副作用は倦怠感、高血糖、貧血、下痢、白血球減少症、血小板減少症、血清GOT上昇、低ナトリウム血症、食欲不振などだった。グレード3/4の副作用で多く見られたのはリンパ球減少症、血清GOT上昇(3人)、低ナトリウム血症(2人)だった。

 今年5月からは、ソラフェニブによる治療が失敗したHCC患者を対象にエベロリムス1日7.5mgと支持療法を行う群とプラセボと支持療法を行う群を比較する国際フェーズ3試験EVOLVE-1が開始されている。日本もこの試験に参加している。