米Pfizer社は8月23日、治療歴のある進行性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とするフェーズ3試験(SUN1087試験)において、スニチニブエルロチニブの併用療法はエルロチニブ単剤療法と比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したものの、全生存期間(OS)は変わらなかったと発表した。

 SUN1087試験では、主要評価項目をOS、副次的評価項目をPFSとしていた。新しい、または予期しない有害事象は、この試験では観察されなかった。

 試験データの解析はさらに進められ、結果は10月8日から12日にかけてイタリア・ミラノで開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表される予定だ。またPfizer社は、今後数カ月をかけて詳細な解析を行い、未治療または再発のNSCLCを対象とする臨床試験を行うためのサブグループを1つ以上特定できるかどうか、判断する方針だ。

 経口マルチキナーゼ阻害剤のスニチニブは、血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)と血小板由来成長因子受容体(PDGFR)を主な標的とする。VEGFRとPDGFRは固形腫瘍の多くの種に発現し、血管新生に重要な役割を果たすと考えられている。

 スニチニブは、イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍(GIST)および根治切除不能または転移性の腎細胞癌を適応として承認され、現在までに臨床試験を含めて同剤による治療を受けた患者は世界中で9万1000人を超える。

 この他にPfizer社が開発を進める肺癌に対する化合物として、anaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子を有するNSCLC患者を対象としたALK阻害剤PF-02341066(crizotinib)、NSCLC患者を対象としたpan-HER/erbB標的治療薬PF-00299804があり、現在フェーズ3試験が進行中である。

 肺癌は世界で最も患者数が多い癌で、その85%をNSCLCが占める。NSCLCの治療は難しく、ステージIII/IVのNSCLCの5年生存率は6%にとどまっている。