米国の非営利独立研究機関であるSRI Internationalは、8月19日、進行または転移性の乳癌に対する新規ステロイド型抗エストロゲン剤TAS-108」について、今後の臨床開発は大鵬薬品工業と協力して進めると発表した。TAS-108はフェーズ2試験が終了しており、今後はタモキシフェン(TAM)およびアロマターゼ阻害剤(AI)に抵抗性の乳癌の治療薬として開発が進められる見通しだ。

 TAS-108は、1日1回の経口投与で、進行または転移性の乳癌に対し、TAMとAIよりも有効性と安全性が高くなるようデザインされた。これまでに終了した5件のフェーズ1試験(対象67人)と2件のフェーズ2試験(同242人)では、TAMとAIによる治療を行った後で進行を認めた患者において、有意な抗腫瘍効果が示された。

 安全性についてもこれまで良好な結果を示しており、TAMの副作用である子宮内膜の肥厚やAIの副作用である骨密度の低下は、TAS-108では認められていない。

 SRI Internationalと大鵬薬品は、TAMに抵抗性の乳癌の治療として、新しいホルモン療法の発見、開発、評価を行うため、長期にわたり共同研究を続けてきた。大鵬薬品は、TAS-108の臨床開発と商業化に関する権利をSRI Internationalから取得した。フェーズ2試験が終了し、2010年1月に日本を除く世界的な権利はSRI Internationalに返還されている。

 TAS-108のフェーズ3試験の進展に興味を持つ企業、希少疾病用医薬品(orphan drug)の適用などの規制当局の承認、日本以外の国での商業化について、SRI Internationalは問い合わせを歓迎するとしている。