米Amgen社は8月11日、再発性または転移性の頭頸部扁平上皮癌に対するファーストライン治療としてパニツムマブを評価するフェーズ3の無作為化試験(SPECTRUM試験)において、全生存期間(OS)の改善を示すことができなかったと発表した。

 SPECTRUM試験には658人の頭頸部扁平上皮癌患者が登録され、標準治療であるシスプラチンと5FUによる化学療法にパニツムマブ9mg/kgを併用する群と、化学療法単独群に無作為に割り付けられた。治療は3週ごとに行われた。

 その結果、主要評価項目とした全生存期間(OS)の中央値は、併用群で11.1カ月、単独群で9.0カ月となり、併用群は統計学的に有意な改善を示すことができなかった。ハザード比は0.87(95%信頼区間 0.73-1.05)だった。
 
 副次的評価項目とした無増悪生存期間(PFS)と客観的奏効率(ORR)は、数字上は併用群で改善していたものの、統計学的な有意差は認められなかった。PFSの中央値は、併用群5.8カ月、化学療法単独群4.6カ月、ハザード比は0.78(0.66-0.92)で、ORRは36%と25%だった。

 併用群で多く報告された有害事象は、悪心、発疹、好中球減少、嘔吐で、いずれも予測された範囲のものだった。

 本試験結果の詳細は、10月8日から12日までイタリア・ミラノで開催される第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で報告される予定だ。

 頭頸部癌は世界で6番目に多く発症している癌で、毎年新たに40万人を超える患者が診断されている。頭頸部癌のほとんどを扁平上皮癌が占める。

 パニツムマブは抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体製剤。フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンを含む化学療法施行後に進行を認めた、EGFR遺伝子変異陽性の転移性大腸癌に対する単剤治療薬として、米国では2006年9月に承認されている。欧州ではKRAS遺伝子野生型であることも条件に加え、2007年12月に承認されており、現在では20カ国以上で販売されている。