米ArQule社と第一三共は、8月3日、非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とするARQ197のフェーズ3の臨床試験の実施を決定したと発表した。

 この決定に基づいて第一三共は、ARQ197とエルロチニブ併用群とエルロチニブとプラセボ併用群を比較するフェーズ3試験について、臨床試験計画評価(Special Protocol Assessment: SPA)を米食品医薬品局(FDA)に申請する。FDAとの合意後、患者登録を開始する予定だ。

 ARQ197は、c-Metと呼ばれる受容体型チロシンキナーゼを選択的に阻害する経口分子標的薬。c-Metは肝細胞増殖因子(HGF)の受容体であり、異常に亢進すると癌細胞の増殖、血管新生、浸潤、転移といった癌の生態に多くの役割を果たすことが分かっている。

 今回の決定は、前臨床試験と臨床試験の包括的レビューを受けたもの。最近終了したフェーズ2試験では、進行性で難治性のNSCLCの患者を対象に、エルロチニブ+プラセボ併用群とARQ197+エルロチニブ併用群を比較した結果、ARQ197+エルロチニブ併用群の全生存期間(OS)と無再発生存期間(PFS)が延長することが示された。重要な予後因子の不均衡を調整すると、非扁平上皮癌患者のOSとPFSに関するデータが統計学的に有意となった。

 ARQ197については、日本、アジアの一部(中国・韓国・台湾)における独占的開発・販売権を2007年4月に協和発酵キリンが取得している。日本、アジアの一部を除く全世界については、2008年12月に第一三共とArQule社が共同開発・商業化のライセンス契約を締結している。