米Dana-Farber Cancer Instituteなどの研究者たちが、米Dendreon社の前立腺癌免疫治療Sipuleucel-T(商品名:PROVENGE)のフェーズ3試験(IMPACT試験)で得られた結果をNEJM誌2010年7月29日号に報告した。それによると、Sipuleucel-T投与群で有意な全生存期間延長が見られた。

 「PROVENGE」は、患者自身の樹状細胞を利用して製造されたオーダーメード型癌免疫細胞療法で、2010年4月にFDAから承認を得ている。

 IMPACT試験は、二重盲検の多施設無作為化試験で、無症候性またはわずかに症状がある転移性のホルモン療法抵抗性前立腺癌の患者512人を対象に行われた。2対1で「PROVENGE」(341人)またはプラセボ(171人)に割り付け、隔週で計3回点滴静注した。

 主要エンドポイントに設定された全生存期間の中央値は、介入群が25.8カ月、対照群が21.7カ月となった。介入群では死亡の相対リスクが22%低かった(調整ハザード比0.78、P=0.03)。「PROVENGE」の利益はさまざまなサブグループの患者に一貫して見られた。

 なお、「PROVENGE」に割り付けられた患者の97.1%が1回以上の投与を受けており、3回の投与を完了した患者の割合は92.2%と高かった。初回投与から治療完了までの中央値は28日だった。

 介入群に多かった有害事象は、悪寒、発熱、頭痛、インフルエンザ様症状などで、多くがグレード1/2だった。これらの症状は主にサイトカイン放出に起因すると考えられた。先に行われた無作為化試験で示唆された脳血管系イベントのリスク上昇は見られなかった。

 ただし無増悪生存期間については両群間に差は見られなかった。この点について著者らは、「この種の前立腺癌患者では、無増悪生存期間は、全生存期間の予測因子としては信頼性が低いことから、この治療の有効性に疑問を抱かせる結果ではない」と説明している。