大鵬薬品工業は、2010年7月23日、乳癌を対象に抗癌剤「アブラキサン」(一般名:パクリタキセル注射液〔アルブミン懸濁型〕)の製造販売承認を獲得したと発表した。早ければ9月中にも発売される見通しだ。アブラキサンは胃癌(フェーズ2試験)、非小細胞肺癌(フェーズ3試験)を対象にした開発も行われている。

 アブラキサンは、アルブミンとパクリタキセルを結合させたナノ粒子製剤。ナノ粒子製剤とすることで、過敏症を防ぐためのステロイド薬などの前投薬を考慮する必要がなく、薬剤の点滴時間が30分と短縮されるため、患者の負担を軽減できると期待されている。また溶媒を用いたパクリタキセルに比べて、アブラキサンの方が奏効率が高く、TTP(増悪までの時間)をより延長し、転移性乳癌患者に対するセカンドラインとしての使用で生存期間をより延長することが確認されている。タキサン系抗癌剤抵抗性の乳癌にも有効であることが示されている。

 なお、アブラキサンの承認条件として、製造販売後、一定数の症例にかかわるデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することになっている。