米国臨床腫瘍学会(ASCO)は、ホルモン受容体陽性乳癌の女性患者に対するアジュバントのホルモン療法についてガイドラインを改訂し、7月12日に「Journal of Clinical Oncology(JCO)」電子版で発表した。

 今回の改訂は2004年の改訂以来となる。改訂に当たり、乳癌のアジュバント療法に使用された抗エストロゲン薬タモキシフェン)とアロマターゼ阻害薬(AI)3種(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)のいずれかを検討した、12の前向き無作為化試験の結果から、最新のエビデンスが検討された。

 これらの試験では、タモキシフェンの単独療法と比較して、AIの単独療法またはAIとタモキシフェンの併用療法は再発リスクを減少し、無再発生存期間を改善したことが示された。特にAIを使用することで、遠隔転移のリスクの減少、乳房内および対側乳房の再発のリスクが減少することが明らかになった。

 改訂されたガイドラインにおける新しい推奨の主なものは以下の通り。

・閉経後の女性患者では、イニシャルアジュバント療法、またはタモキシフェンを2〜3年投与した後でAIを投与する方法のいずれかで、治療のコースにAIを含めることを考慮すべきである。AIは5年間まで投与可能である。タモキシフェンを5年間投与した後でAIを投与してもよい。

・タモキシフェンは閉経前・閉経後のすべての女性患者に投与すべきである。閉経前および閉経期の女性には、診断時から5年間タモキシフェンを投与することを推奨する。

・3種のAIにおける重要な有効性の違いは示されていない。

・タモキシフェンとAIの作用メカニズムは異なるため、両剤を使用しても多くの患者では副作用は比較的軽度である。タモキシフェンと比較して、AIは血栓形成と子宮癌の発生が少ないが、骨粗鬆症と骨折のリスクは上昇する。

 ASCOのEndocrine Therapy for Breast Cancer Update Committeeで共同司会を務めたUniversity of MichiganのJennifer Griggs氏は、「患者に治療への理解を深めて選択してもらうために、使用する薬剤の副作用について話し合うことが重要と考える。私たちにできることは、これらの重要な治療のコンプライアンスを最大限にすること」と話した。

 さらにガイドラインでは、今後、必要な研究として、治療に反応するホルモン受容体陽性乳癌の種類を示す腫瘍マーカーまたは病理学的所見、AIによる治療期間(5年か、さらに長期か)、タモキシフェンからAIにスイッチする最適な時期を挙げている。

 ガイドラインとその他の臨床ツールは、ASCOのホームページから入手できる。