スイスHoffmann-La Roche社は、2010年7月7日、米国で、HER-2を標的とする薬剤や化学療法剤の投与歴を有する進行したHER-2陽性乳癌患者を対象に、トラスツズマブ-DM1(T-DM1)の生物製剤承認申請を提出したと発表した。

 T-DM1は、抗HER2モノクローナル抗体製剤のトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)に、微小管重合阻害剤誘導体であるDM1を結合させた抗体-薬剤複合体(ADC)だ。Roche社は様々な癌を標的として、約50のADCを開発しているが、承認申請に至った製品はT-DM1が初めてだ。

 申請には、治療歴のあるHER-2陽性患者を対象とするフェーズ2試験などで得られた結果が添えられている。シングルアームの多施設フェーズ2試験は、少なくとも2種類のHER-2を標的とする治療(トラスツズマブとラパチニブ)と化学療法を受けたが病気が進行した110人の患者を対象に行われ、T-DM1は、平均7種類の治療を受けてきた進行乳癌患者の33%に腫瘍縮小効果をもたらすことを示した。

 このほかにもT-DM1を単剤で投与、もしくは他の癌治療薬(カペシタビン、ペルツズマブ、ドセタキセルなど)と併用した場合の有効性と安全性を、ラパチニブやトラスツズマブなどと比較するフェーズ2試験、フェーズ3試験が進行中、または計画されている。