米Pfizer社は、2010年6月21日、再発性急性骨髄性白血病治療薬「Mylotarg(マイロターグ)」(ゲムツズマブ・オゾガマイシン注射)の米国内での販売中止を決定、「Mylotarg」に関する新薬承認申請(NDA)を自主的に取り下げると発表した。

 この製品は、米食品医薬品局(FDA)の迅速承認プログラムが適用された医薬品ではじめて、承認の際に条件とされた市販後臨床試験で臨床利益が示せなかったために市場からの撤退を余儀なくされた製品となった。

 この製品は、Pfizer社がWyeth社を買収した2009年10月まで、Wyeth社が米国で販売してきた。適応は、初回の再発を経験したCD33陽性の60歳以上の急性骨髄性白血病(AML)患者で、化学療法の対象にはならない人々となっており、単剤投与されてきた。年間の処方患者数は約2500人だった。

 「Mylotarg」は、FDAの迅速承認プログラムにより、3件の非比較試験の結果に基づいて2000年5月に市販許可を得た。その際、条件とされた市販後試験は2004年に開始されたが、この無作為化フェーズIIIの中間解析で「Mylotarg」の臨床利益を示せなかったばかりか、「Mylotarg」併用群で死亡が多かったために、試験は2009年に早期中止された。

 安全性評価の対象になった全ての患者のうち、致死的な毒性により治療開始後短期間で死亡した患者の割合は、対照群に比べ「Mylotarg」併用群で有意に多かった(1.4%と5.7%、P=0.01)。

 また試験中止までに患者の1%が肝静脈閉塞性疾患を経験していた。これは迅速審査による承認時に報告されていた発生率より高かった。

 Pfizer社は、現在使用中の患者が必要とする場合に備えて、10月15日までは米国市場向けに「Mylotarg」を供給する計画だ。

 この製品は2005年に日本で、2007年には欧州で市販許可を得ている。Pfizer社は、「Mylotarg」を承認している米国以外の国の監督当局、研究者、臨床医、AML患者に今回の同社の判断と今後の動向に関する情報を提供する予定だ。