米Fox Chase癌センターのCharu Aggarwal氏らは5月28日、ステージIIIAの非小細胞肺癌(NSCLC)患者に肺葉切除と化学放射線療法を適用した場合、化学放射線療法単独に比べ生存期間の延長が見られることを明らかにした。同センターで治療を受けた患者のデータを分析した結果の詳細は6月6日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2010で報告される。

 早期であればNSCLC患者には手術が標準適用されるが、ステージIIIAの患者となると治療法の選択が難しい。多様な患者が含まれているからだ。基本的には、原発腫瘍が存在する肺と同じ側のリンパ節に転移が見られるケースをステージIIIAに分類するが、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の場所や数などは問わないため、さまざまな患者がステージIIIAと診断されることになる。

 現在の標準治療は化学放射線療法となっているが、先頃行われた大規模なフェーズIII試験の結果は、手術を受けた患者に化学放射線治療を行うと、化学放射線療法のみの場合に比べ無増悪生存期間が延びることを示した。

 リリースによると、Aggarwal氏らは、Fox Chase癌センターで2000年から2008年に治療を受けたステージIIIAの患者249人(年齢の中央値は65歳、43%が男性、96.5%がN2肺癌)のデータを用いて、治療現場でも、手術と化学放射線療法の組み合わせが適用された患者の転帰が良好だったかどうかを調べた。

 適用された治療に基づいて249人を化学放射線療法のみ(103人)、肺切除術と化学放射線療法を併用(41人)、一肺葉切除術と化学放射線療法を併用(105人)に分けた。

 傾向スコア法を用いて、3群の患者の年齢や性別、喫煙歴などの変数を調整して分析を進めた。その結果、一肺葉切除術と化学放射線療法が用いられた患者の生存期間が化学放射線療法のみのグループに比べ有意に長いことが明らかになった。中央値は39カ月と22カ月でp値は0.038となった。

 一肺葉切除術と化学放射線療法を併用された患者群の1年生存率は88%、2年生存率は63%、5年全生存率は40%だった。化学放射線療法のみのグループではそれぞれ75%、45%、29%となった。一方、肺切除と化学放射線療法が併用されたグループでは、化学放射線療法単独群に優る生存利益は見られなかった。生存期間の中央値は28カ月だった(p=0.534)。

 得られた結果に基づいて研究者たちは現在、特定のステージIIIA患者を選出して肺葉切除と化学放射線療法を併用するフェーズ1試験を行っている。