カナダOncolytics Biotech社は5月25日、プラチナ製剤抵抗性の頭頸部腫瘍患者に「REOLYSIN」をパクリタキセル、カルボプラチンと併用するフェーズ3試験の第一段階の患者登録を開始したと発表した。

 REOLYSINは、RNAウイルスであるヒトレオウイルスを利用した癌治療薬。正常細胞に感染しても増殖できないが、ras経路が活性化されている癌細胞などで特異的に増殖し、細胞を破壊する。

 同社は、米では、米食品医薬品局(FDA)の特別プロトコル査定(SPA)を経て臨床試験の実施許可を得、英でも医薬品庁(MHRA)から同様の臨床試験実施許可を得ており、フェーズ3試験の第一段階は英米とベルギーの約25施設での実施を計画している。

 フェーズ3無作為化二重盲検試験は、転移性または再発性の頭頸部扁平上皮癌、または鼻咽腔の扁平上皮癌で、プラチナ製剤ベースの化学療法後に進行が見られた患者を登録し、パクリタキセル+カルボプラチンとREOLYSIN、またはパクリタキセル+カルボプラチンと偽薬を21日サイクルで最大8サイクル投与して、病気が進行するまで追跡する設計になっている。

 主要評価項目は全生存期間に、副次的評価項目は無増悪生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性と忍容性に設定されている。

 第一段階は80人、第二段階では100〜400人の登録が予定されている。第二段階は、複数回の中間解析により試験設計を柔軟に修正して、登録患者数を当初の計画から変更するadaptiveデザインとなっている。中間解析により評価項目の達成が明らかになれば、その時点で患者登録は打ち切られる可能性がある。

 これまでに行われたフェーズ1、フェーズ2試験では、パクリタキセル、カルボプラチンと併用した場合の相乗効果が示された。2009年11月に発表された英でのフェーズ1/2試験のデータは、全奏効率(完全奏効+部分奏効)が42%、臨床利益が見られた患者(完全奏効+部分奏効+病態安定)の割合は74%を示した。