独Boehringer Ingelheim社は5月21日、同社が開発を進める新規抗癌剤BIBW2992について、頭頚部癌に対する抗腫瘍効果と、非小細胞肺癌に対するフェーズ2試験(LUX-Lung2)の最新データを、今年6月にシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で報告すると発表した。

 BIBW2992は、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)と上皮細胞成長因子受容体2(HER2)の両方のチロシンキナーゼをターゲットとし、受容体に不可逆的に結合する阻害剤。

 発表によると、頭頚部癌を対象とした試験では、BIBW2992投与群では患者の22%で腫瘍が縮小したが、セツキシマブ投与群では13%であった。治験責任医師でUniversity of Chicago Medical CenterのTanguy Y. Seiwert氏は、「再発性の頭頚部癌は予後が不良だが、経口のEGFR阻害剤で、このレベルの抗腫瘍効果を示したのは初めて。BIBW2992は治療の選択肢になりえる」と述べている。

 また、EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺癌を対象としたLUX-Lung2試験では、BIBW2992による顕著な抗腫瘍効果が再確認された。LUX-Lung2試験は、未治療あるいは治療歴のある患者を対象としたフェーズ2試験。最新データでは、代表的なEGFR変異であるエクソン19の欠失変異とエクソン21のL858R点突然変異を有する患者で、顕著な腫瘍縮小が認められ、無増悪生存期間の中央値は約14カ月、全生存期間の中央値は2年だった。

 なお、LUX-Lung2試験は、LUX-Lung試験プログラムの1つ。エルロチニブもしくはゲフィチニブによる治療を受けた非小細胞肺癌を対象としたフェーズ3のLUX-Lung 1試験では、BIBW2992+支持療法(BSC)とプラセボ+BSCを比較。試験の結果はまもなく報告される見込みだ。

 また、未治療の非小細胞肺癌を対象に標準治療と比較するフェーズ3のLUX-Lung3試験とLUX-Lung6試験も現在進行中だ。加えて、フェーズ3のLUX-Lung5試験では、エルロチニブもしくはゲフィチニブによる治療で不応となった非小細胞肺癌を対象に、BIBW2992+パクリタキセル(週1回投与)群と医師が選択した化学療法の群との比較が行われている。