米Bristol-Myers Squibb社は5月21日、未治療の進行性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした標準化学治療とipilimumabを併用する無作為化フェーズ2試験(CA184-041)において、肯定的な結果が得られたと発表した。この試験では、主要評価項目の免疫関連の無増悪生存期間(immune-related progression-free survival:irPFS)および副次的評価項目のPFSについて、標準化学療法にipilimumabを併用した2つの投与スケジュールのうちの1つで統計学的な有意差が認められた。

 ipilimumabは抗細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)-4完全ヒトモノクローナル抗体。CTLA-4は自然免疫反応の調節に重要な役割を果たすT細胞の表面に発現し、T細胞の活性を抑制する。ipilimumabはこのCTLA-4による抑制シグナルを特異的に遮断し、T細胞の活性化状態を維持する。

 今回のフェーズ2試験は、多施設、無作為化、二重盲検で3群を比較する試験で、ステージIIIbまたはIVの未治療のNSCLC患者203人を対象とした。ファーストライン治療として、パクリタキセル/カルボプラチンを投与する群とパクリタキセル/カルボプラチンにipilimumabを併用する群の有効性と安全性を評価した。

 患者は次の3群に1:1:1で割付けられた。化学療法の最初の4サイクルとipilimumab(10mg/kg、3週毎)を同時投与する群、3〜6サイクルの化学療法とipilimumabを段階投与または連続投与する群、そして化学療法単独群である。化学療法中止後のipilimumabの投与は3カ月毎とし、進行または強度の毒性が認められるまで継続した。

 その結果、irPFSは、同時投与群、段階投与または連続投与群、化学療法単独群で、5.52カ月(ハザード比0.775、p=0.094)、5.68カ月(ハザード比0.686、p=0.026)、4.63カ月となった。PFSはそれぞれ4.11カ月(ハザード比0.882、p=0.250)、5.13カ月(ハザード比0.691、p=0.024)、4.21カ月であった。

 全生存期間の中間解析では、同時投与群が11.01カ月(ハザード比0.962、p=0.429)、段階投与または連続投与群が11.56カ月(ハザード比0.748、p=0.104)、化学療法単独群で9.99カ月となった。生存に関する結果については追跡が続けられている。

 グレード3または4の有害事象の発現は、3群でそれぞれ58%、52%、42%であり、個々の薬剤については過去の報告を反映する結果であった。グレード3または4の免疫関連の有害事象の発現は、同時投与群で20%、段階投与または連続投与群で15%であった。これらの免疫関連の有害事象に対し、プロトコールで定めた治療ガイドラインによる支持療法とステロイドの全身投与が行われた。

 Yale Cancer CenterのThomas J. Lynch氏は、「今回の結果はNSCLCに対するipilimumabの大規模なフェーズ3試験を行ううえで、非常に勇気づけられるものだ。黒色腫の場合と同様に、ipilimumabは治療が困難な肺癌に革新的なアプローチをもたらす」と話した。

 NSCLCに対するipilimumabのフェーズ3試験の計画はすでに始められている。