非ホジキンリンパ腫の標準治療はCHOP-R療法だが、CHOP-R療法のドキソルビシンをピクサントロン(pixantrone)に換えたCPOP-R療法は、ドキソルビシンを使った場合に比べて、心毒性の発生を有意に抑制することが示された。無作為化フェーズ2試験(RAPID/PIX203)の予備的データによるもので、米Cell Therapeutics社が5月18日に発表した。

 ピクサントロンは、ドキソルビシンなどのアントラサイクリン系とは違うタイプ(aza-anthracenedione系)のアルキル化剤。アントラサイクリン系抗癌剤で見られる心毒性が少ないと期待されている。

 試験は、中悪性度のびまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫の患者124人を対象に、一次治療レジメンとして、CHOP-R療法(シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニン、 リツキシマブ)群とCPOP-R療法群に無作為割付けした。主要評価項目は寛解率で、CHOP-R療法に対するCPOP-R療法の非劣性を検証した。

 予備的なデータで、左室駆出率(LVEF)によって評価した心機能低下(20%以上の低下)が、ドキソルビシンを使ったCHOP-R療法群では13%だったのに対し、ピクサントロンのCPOP-R療法群では2%と有意に少なかった。また症候性うっ血性心不全もそれぞれ5%、0%で、グレード3/4のLVEF低下は各10%と2%だった。なおグレード3/4の好中球減少、発熱性好中球減少、感染症の発生率は、両群で同程度だった。

 予備的な寛解率はCHOP-R療法群が92%、CPOP-R療法群が89%とほぼ同等だった。画像による効果判定や病勢進行に関するデータは今年末の米国血液学会で報告される見込み。同社では今年下半期に欧州でピクサントロンの販売承認申請(MAA)を提出する意向であるとした。