米Vical社は5月12日、転移性悪性黒色腫の患者を対象とする癌免疫治療「Allovectin-7」のフェーズ2試験で得られた結果が、Melanoma Research誌2010年6月号に報告されたことを発表した。

 Allovectin-7は、HLA-B7とβ2ミクログロブリン遺伝子配列を含むプラスミドDNAに脂質リポソームのアジュバントを加えた癌ワクチンで、転移性悪性黒色腫患者を対象とするフェーズ3試験が現在進行中だ。

 フェーズ2試験は、シングルアームのオープンラベル形式で行われた。化学療法に抵抗性の、または不忍容のステージ3または4の転移性悪性黒色腫患者を登録、異なる用量のAllovectin-7に割り付け、病巣部分への投与を週1回6週間行った。

 今回の論文は、高用量(2mg)に割り付けられた患者127人(年齢の中央値は60歳)に対する治療の安全性と有効性について報告している。高用量群には98歳の患者も含まれていたが、治療関連のグレード3または4の有害事象は見られず、不忍容による脱落もなかったという。

 投与終了後3週間追跡した時点の奏効率は11.8%(15人)で、完全奏効が4例、部分奏効は11例だった。奏効期間の中央値は13.8カ月(最短が6カ月、最長は66カ月)、生存期間の中央値は18.8カ月で、無増悪生存期間の中央値は1.6カ月だった。追跡は現在も続いている。

 著者らは、転移性悪性黒色腫を対象に行われた過去の試験のデータ(historical control)と比較すると、今回の結果はそれらより良好と述べている。

 高用量のAllovectin-7の有効性と安全性を示唆したフェーズ2データを利用して、同社はフェーズ3試験を設計した。試験は、FDAによる特別プロトコル査定(SPA)を経て2007年1月に開始された。

 フェーズ3は免疫機能が正常なステージ3または4の再発性転移性悪性黒色腫患者のうち、化学療法歴の無い人々を対象に行われている。患者登録は2010年2月に完了している。

 フェーズ3の目的は、化学療法(ダカルバジンまたはテモゾロミド)と比較したAllovectin-7の長期的な利益を明らかにすることにある。主要エンドポイントは24週以降の奏効率に、2次エンドポイントは生存期間と安全性、忍容性などに設定されている。追跡終了は2011年半ばになる見込みだ。

 アンジェスMGが日本およびアジア主要国におけるAllovectin-7の商業化権を保有しており、頭頸部腫瘍を対象とする開発を計画している。