米Abraxis BioScience社は4月18日、アルブミン結合をさせたナノ粒子にパクリタキセルを封入した製剤nab-paclitaxelゲムシタビンと併用するフェーズ1/2試験から、全生存期間(OS)に関する最新情報を発表した。発表によると、進行膵癌患者のファーストライン治療でOSの延長が証明されたという。

 nab-paclitaxelは溶媒を含まず、転移性乳癌に対する化学療法の治療選択肢として開発された。抗腫瘍活性を示す薬剤の周囲でアルブミンと結合することで高用量の投与が可能で、溶媒を含むパクリタキセルよりも高濃度のパクリタキセルを腫瘍部位に送達できる。

 今回の非盲検のフェーズ1/2試験には、67人の患者が参加した。フェーズ1では、nab-paclitaxelを100、125、150mg/m2のいずれかの用量でゲムシタビン1000mg/m2と併用し、週1回で3週連続投与、1週休薬とした。評価項目は最大耐用量(MTD)や有害事象などであった。

 その結果、nab-paclitaxel 125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2がMTDとされた。この量を投与した群で最も多かったグレード3、4の有害事象は好中球減少で、グレード3は患者の30%、グレード4は44%に出現した。グレード3の感覚性ニューロパチーや倦怠感、グレード3、4の血小板減少なども観察された。敗血症による同併用療法関連の死亡は、nab-paclitaxel 150mg/m2を投与した1人に認められた。

 nab-paclitaxel 125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2を投与した44人のOSの中央値は12.2カ月で、ゲムシタビン単剤を投与した過去症例と比較すると2倍となった。奏効率は50%、完全奏効(CR)と部分奏効(PR)と安定状態が16週以上持続した病勢コントロール率は68%であった。試験の全対象67人中では、CRは3人に認められた。

 これらの所見は、ワシントンD.C.で開催されている第101回米国癌研究会議(AACR)のセッション「Progress in Pancreatic Cancer」において、米Translational Genomics Research Institute(TGen)のDaniel Von Hoff氏が「Epithelium and Stroma:Double Trouble」と題した基調講演で発表し、討議が行われた。

 Hoff氏は「本試験ではnab-paclitaxel 125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2の併用療法が実質的な抗腫瘍活性を示した。この用量を投与した44人全員で血清の糖鎖抗原CA19-9が20%を超える低下を示し、低下の程度とOSの改善が相関することも明らかになった」と話した。CA19-9は膵癌に特異的で感受性が高く、全膵癌患者の約4分の3はベースラインで同値が上昇している。

 nab-paclitaxel 125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2の併用療法は、現在、患者登録中の無作為化フェーズ3試験で検討が進められている。

 米食品医薬品局(FDA)は、nab-paclitaxelをIIB〜IVの黒色腫と膵癌の治療薬として、オーファンドラッグに指定している。