癌幹細胞を標的とした抗癌剤であるBBI608のフェーズ1試験で安全性が確認され、一部で抗腫瘍効果が確認されたことが報告された。成果は、4月17日から21日までワシントンD.C.で開催される米国癌研究会議(AACR)で、カナダMcGill大学Jewish General Hospital Segal Cancer CenterのAdirian Langleben氏が発表した。

 BBI608は癌幹細胞の自己複製を阻害し、癌幹細胞と癌細胞にアポトーシスを起こさせると考えられている。具体的にはcMyc経路、Stat3経路、βカテニン経路を阻害する。

 フェーズ1用量増多試験は、標準的治療がうまくいかなかった成人の進行固形癌患者を対象に行われた。1日2回BBI608を経口で投与することを4週間続けることを1サイクルとして、病状が進行するか、受け入れ難い毒性が生じるか、その他の中止基準に抵触するまで投与は継続された。

 2010年3月16日までに18人(男性が16人)の患者が登録された。前治療が3種類を超える患者が13人を占めていた。1日当たりの投与量が20mgから600mgまで、8段階のコホートに分けて投与が行われた。この用量増多試験に患者は十分に耐えることができ、用量制限毒性は見られなかった。副作用は一般的に穏やかで、多いものは下痢、吐き気、嘔吐だった。グレード3以上の副作用は下痢と倦怠感の2件だけだった。重篤な副作用を発現した患者はいなかった。

 12人の患者で抗腫瘍効果の評価が可能で、1人が微少奏効(MR)、8人が安定状態となった。3人の患者では16週を超えるSDが得られた。また、新規に転移巣が生じたのは1人だけだった。