タモキシフェンラロキシフェンの閉経後乳癌に対する予防効果を比較したSTAR P-2試験の最新結果が報告された。1万9490人の患者を対象とした観察期間中央値81カ月の結果で、2006年発表の結果と異なり、タモキシフェンの方がラロキシフェンよりも抑制効果が高いことが明らかとなった。ただし副作用は、ラロキシフェン群の方が有意に少なかった。成果は、4月17日から21日にワシントンD.C.で開催される米国癌研究会議(AACR)で、National Surgical Adjuvant Breast & Bowel ProjectのD. Lawrence Wickerham氏が発表した。

 閉経後乳癌のタモキシフェンによる予防効果は、プラセボを対象にしたSTAR P-1試験で明らかにされている。また、ラロキシフェンによるプラセボに対する予防効果はMORE試験で明らかにされている。

 そこでラロキシフェンとタモキシフェンの乳癌発生抑制効果を比較するSTAR P-2試験が行われ、1999年7月1日から2004年11月4日まで1万9747人の閉経後の女性が登録された。タモキシフェンは1日20mgを、ラロキシフェンは1日60mgを5年間投与された。

 2006年の解析(観察期間中央値47カ月)では、1万9471人(タモキシフェン9726人、ラロキシフェン9745人)のデータが解析された。浸潤性乳癌の発生件数はタモキシフェン群が163件、ラロキシフェン群が168件で、リスク比(ラロキシフェン:タモキシフェン)は1.02(95%信頼区間:0.82-1.28、p=0.83)で差がなかった。

 今回は、観察期間中央値81カ月で1万9490人のデータが解析された。タモキシフェン群は9736人、ラロキシフェン群は9754人だった。浸潤性乳癌の発生件数はタモキシフェン群が247件、ラロキシフェン群が310件で、リスク比(ラロキシフェン:タモキシフェン)は1.24(95%信頼区間:1.05-1.47、p=0.01)でタモキシフェン群の方が優れていた。

 一方、非浸潤癌では観察期間中央値47カ月で、発生件数はタモキシフェン群57件、ラロキシフェン群81件でタモキシフェンの方が優れていたが、観察期間中央値81カ月の解析では、発生件数はタモキシフェン群111件、ラロキシフェン群137件でリスク比が1.22(95%信頼区間:0.95-1.59、p=0.12)と差が少なくなった。

 副作用は、観察期間中央値81カ月で、子宮癌の発生件数はタモキシフェン群で65件、ラロキシフェン群で37件と統計学的に有意にラロキシフェン群の方が少なかった(p=0.003)。血栓塞栓イベントもタモキシフェン群が202件、ラロキシフェン群が154件と統計学的に有意にラロキシフェン群が少なかった(p=0.007)。

 今回の解析では、タモキシフェンの方がラロキシフェンよりも抑制効果が高かったわけだが、Wickerham氏は「ラロキシフェンは閉経後乳癌のリスクを減少させる重要な選択肢であり続ける」と言及した。その理由として、ラロキシフェンはプラセボを投与したと想定した場合よりも乳癌の発生を抑え、タモキシフェンの76%から78%の抑制効果があったこと、タモキシフェンよりも子宮内膜癌、血栓塞栓イベントが有意に少なかったことを挙げた。