米Medivation社アステラス製薬は4月14日、経口アンドロゲン受容体拮抗薬MDV3100を、進行性転移性でアンドロゲン非依存性(去勢抵抗性)前立腺癌患者に適用したフェーズ1/2試験で得られた好結果が、Lancet誌電子版に4月15日に報告されたと発表した。

 米Memorial Sloan-Kettering癌センターのHoward Scher氏らは、選択できる治療が限られており、余命は1年以下と推定される末期の前立腺癌患者において、MDV3100は前立腺特異抗原(PSA)レベルを低下させ、腫瘍の縮小または病態安定をもたらし、末梢血中の循環癌細胞(CTC)の数を減らすことを明らかにした。

 MDV3100は、3つの作用点に働きかけてアンドロゲン受容体拮抗作用を発揮するというユニークな作用機序を持つ。

 この製品の安全性と忍容性の確認と最大耐用量の決定を主な目的とするオープンラベルの用量漸増試験は、米で行われた。抗アンドロゲン療法に抵抗性を示した進行前立腺癌患者を計140人登録。うち75人は化学療法が失敗に終わった患者で、65人は化学療法歴のない男性だった。全体の77%が2通りのホルモン療法を経験していた。

 偽薬群は設けず、全員を、30mg/日、60mg/日、150mg/日、240mg/日、360mh/日、480mg/日、600mg/日のいずれかの用量のMDV3100に割り付け、進行が見られるまで投与を継続した。

 56%の患者でPSA値は半分以下になった。PSA値の低下は中央値で32週継続した。化学療法歴なし群では継続期間は41週と長く、化学療法歴有り群では21週と短かった。

 軟組織への転移と骨転移に対する影響を調べたところ、軟組織転移があった患者の22%に腫瘍の縮小が見られた。また、軟組織転移あり患者の49%、骨転移あり患者の59%が病態安定を経験した。

 X線画像上に進行が見い出されるまでの期間の中央値は47週だった。化学療法歴あり群では29週間、化学療法歴無し群については分析時点では中央値が得られていなかった。

 CTC数が好ましい値に変化した患者は49%。化学療法歴なし群では75%、あり群は37%だった。240mg/日までの用量の忍容性が確認された。

 最も多く報告された有害事象は疲労で、11%の患者にグレード3-4の疲労が発生した。

 この試験の結果からMDV3100の利益とリスクのバランスは良好と判断されたため、既に多施設無作為化フェーズ3AFFIRM試験が進行中だ。ドセタキセル治療歴のある進行した前立腺癌患者に160mg/日を投与する臨床試験の主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、安全性、忍容性に設定されている。

 また、早期の前立腺癌患者にMDV3100を適用する試験の実施も計画されている。