米癌研究会議AACR)は、タバコを原因とする癌や死亡を防ぐため、タバコに対する包括的な政策をまとめたステートメントを策定し、4月13日、AACRの雑誌Cancer Research(電子版)に掲載した。ステートメントの中で、タバコに関した研究への資金増加や、喫煙開始を防ぐ効果的な方法の開発、禁煙治療の促進など、健康関連従事者に対し、迅速な対応を呼びかけた。

 ステートメントのタイトルは「Tobacco and Cancer: An American Association for Cancer Research Policy Statement」。4月17日〜21日にワシントンDCで開催されるAACR年次総会では、このステートメントについて議論するセッション「Integrating Science and Policy to Combat the Global Tobacco Epidemic」が予定されている。

 全世界で喫煙者は13億人と推定されている。米の喫煙者は2008年に7090万人と言われ、紙巻タバコの使用者は5980万人、葉巻タバコは1310万人、無煙タバコが870万人、パイプタバコが190万人と報告されている。また米では喫煙が原因の癌死は全癌死のおよそ3分の1を占める。

 「タバコに関するAACRの声明は、エビデンスに基づいた対策を実施し、科学を進展させ、かつ科学的な進歩を一般に伝えることによって、タバコの使用とそれに伴う病気の負担を除くためのロードマップである」と、AACRのタバコと癌委員会の委員長であるM. D. Anderson Cancer CenterのRoy S. Herbst氏は述べている。

 AACRはまた、無煙タバコについて、その危険性の証拠となるデータを、米下院エネルギー・商業対策委員会の健康小委員会に提出したと発表した。無煙タバコはタバコの葉を嗅ぐ、あるいは噛むもので、煙が出ないため、紙巻タバコなどに比べて受動喫煙の害は少ないが、タバコへの依存や口腔癌、食道癌、膵臓癌につながるとAACRは指摘している。同小委員会では無煙タバコの危険性、特に若年者における危険性をテーマとしたヒヤリングを4月14日に開催した。