肝切除とラジオ波焼灼療法(RFA)がともに施行可能な初期肝癌患者に対し、2つの治療のいずれかを行い、その有効性を比較するランダム化比較試験SURF trialの現状が報告された。4月8日から10日まで名古屋市で開催された第110回日本外科学会定期学術集会の第8回臨床研究セミナーの中で、東京大学肝胆膵外科の國土典宏氏は、SURF trialの現在の登録数などを報告し、同試験への一層の協力を呼びかけた。

 SURF trialは、2009年4月に始まった。Child-Pugh score 7点以下かつ肝癌が3個以下・3cm以内の条件を満たす初発肝細胞癌患者が対象。肝炎ウイルス感染の有無や種類は問わない。内科医と外科医が肝切除・RFAともに可能だと判断して初めて、試験対象とみなされる。登録期間は3年で、最終の患者登録から5年間経過観察する。目標登録数は各群300人。主要評価項目は、全生存率と無再発生存率となっている。ランダム化比較試験への参加を辞退した患者を対象に、前向き追跡調査も行う。

 現在85施設が参加し、追跡調査の対象となる患者は順調に増加しているものの、ランダム化比較試験への登録者は30人にとどまっているという。國土氏は、医師の患者説明用ツールとして、対談形式で分かりやすいDVDやパンフレット、ポケットマニュアルなどを作成したほか、SURF trialのホームページを立ち上げたことを紹介。「対象となり得る患者を積極的に拾い上げるため、臨床試験についてさらに広く知ってもらう工夫を凝らしていきたい」(國土氏)と述べた。