切除不能進行・再発大腸癌患者に、mFOLFOX6とFOLFIRIを交互に行うmFIREFOXベバシズマブを併用することは、抗腫瘍効果は維持しながら末梢神経障害を軽減し、治療の継続性を上げられることが報告された。また、ハイリスク症例にも、減量などによっておおむね安全に投与できた。久留米大学での26人の症例で明らかになったもの。結果は、4月8日から10日まで名古屋市で行われた第110回日本外科学会定期学術集会で、久留米大学医療センター外科の村上英嗣氏が発表した。

 mFIREFOXレジメンは、mFOLFOX6とFOLFIRIレジメンを4サイクルごとに行うことで、末梢神経障害を起こす場合があるオキサリプラチンを投与しない期間を作るもの。村上氏らは、2008年4月から進行・再発大腸癌26人に対して、mFIREFOXとベバシズマブの併用療法を行った。患者背景は、男性が20人で平均年齢は67歳。初発が18人で再発が8人で、25人が一次療法として、1人が二次療法としてmFIREFOX−ベバシズマブ併用療法を受けた。9人が高齢者または基礎疾患を持つハイリスク患者だった(7人は減量して開始)。

 投与コース中央値は全症例で15コース、ハイリスク症例で12コース、投与期間中央値は全症例が7カ月で、ハイリスク症例は6カ月だった。中止・休薬となった23人中有害事象によるものは1人、治療関連死は高齢で基礎疾患ありのハイリスク患者1人だった。

 RECISTによる抗腫瘍効果は、一次療法として投薬を受けた25人中完全奏効(CR)が2人、部分奏効(PR)が10人、安定状態(SD)が10人で、奏効率は48%、疾患制御率は88%だった。二次治療として投薬された患者はSDだった。ハイリスク症例は4人がPRで3人がSDだった。切除例は11人で13病巣となった。

 グレード3以上の有害事象は、好中球減少症が9人(うちハイリスク症例が4人)、食欲不振が6人(同3人)、倦怠感が6人(同2人)などだった。ただし、グレード3以上の末梢神経障害を起こした患者はおらず、ベバシズマブで懸念されるグレード3以上の高血圧、鼻出血、蛋白尿を起こした患者もいなかった。なお、末梢神経障害の発生率は、mFOLFOXレジメンのサイクルで増加し、FOLFIRIレジメンのサイクルで減少した。