米CytRx社は4月7日、2010年後半に、進行した前立腺癌患者に対するバフェチニブの有効性と安全性を評価するフェーズ2を開始すると発表した。

 同社は既に、バフェチニブをハイリスクのB細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)に適用するフェーズ2と、多形性膠芽腫の治療に用いるフェーズ2を2010年に開始すると公表している。

 新たに公表されたバフェチニブに関する国際的なフェーズ2の対象は、転移性のホルモン療法抵抗性前立腺癌だ。第一選択となる化学療法剤(ドセタキセルまたはミトキサントロン)に反応しなかった患者50人の登録が予定されている。

 バフェチニブは、Bcr-AblとLynという2種類のチロシン・キナーゼを強力に阻害する経口型デュアル・キナーゼ阻害薬。前立腺癌モデルマウスを用いた実験では、Lynキナーゼを阻害すると前立腺癌の増殖とリンパ節転移が抑制されることが示されている。また、ホルモン療法抵抗性を示した前立腺癌患者からホルモン治療の前後に採取した標本を調べたところ、治療前の標本に比べ治療後の標本でLynキナーゼの過剰発現が見られた、という報告もある。従って、Lynキナーゼを阻害するバフェチニブは、ホルモン療法抵抗性前立腺癌の増殖と転移を抑制すると考えられる。

 化学療法は進行した前立腺癌患者の生存期間を延長できるが、毒性も高い。一方バフェチニブは、生存期間を延長できるだけでなく、有害事象が少ないために患者のQOL向上ももたらすと期待されている。