米Genta社は4月6日、進行胃癌の治療薬である経口タキサン系抗癌剤tesetaxelについて、同社が要請したファストトラックへの指定を米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。

 tesetaxelは、パクリタキセルやドセタキセルなど従来のタキサン系抗癌剤の静注に伴う過敏反応を排除し、末梢神経障害を抑えながら、高い抗腫瘍活性を維持するよう開発された。経口薬のため、他の抗癌剤と併用する場合、投与の選択肢を広げた新しいスケジュールの開発も可能である。パクリタキセルやドセタキセルに抵抗性を示す細胞系にも高い活性を示すことが証明されている。

 ファストトラックの指定は、新薬の開発と審査を促進するために設定されている。対象となる新薬は、重篤で生命を脅かす状態を治療するためのもので、まだ対処がとられていない医療上のニーズに取り組む可能性を示すものである。本指定により、製薬会社は提出過程においてFDAの審査を受けながら継続的な新薬申請(NDA)の提出ができる。ファストトラックの指定を受けたNDAは、提出時にFDAによる優先的な審議も認められていることが多い。

 tesetaxelのフェーズ2a試験では、シスプラチンと5FUまたはカペシタビンなどによる併用療法が無効だった進行胃癌患者35人を対象として、27〜35mg/m2の用量を3週ごとに投与した。最終的なITT解析では、部分奏効5人、CTでは未確認の部分奏効2人、安定状態14人となり、奏効率は20%、病勢コントロール率は60%であった。最も重篤な有害反応はグレード3〜4の好中球減少症で、対象の57%に発現した。

 フェーズ2a試験の有望な結果から、Genta社は、ファーストライン治療が無効だった進行胃癌患者のセカンドライン治療として、tesetaxelのフェーズ2bの確認試験を実施している。同試験では、ファーストライン治療を白金系抗癌剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)とフルオロピリミジン(5FU、カペシタビン、S-1)の併用療法と定義した。ファストトラックの指定では、このフェーズ2b試験に登録している患者集団を対象とする。

 Genta社は、同患者集団におけるtesetaxelの無作為化、二重盲検、プラセボ対照のフェーズ3試験を計画している。この試験の開発において、同社はtesetaxelとカペシタビンの投与量決定と薬物動態の試験を完了した。これらの経口薬をそれぞれ総量で一緒に投与しても、重複する副作用は認められないことが分かった。

 Genta社は特別プロトコル査定(SPA)を確実にするため、第2四半期にフェーズ3試験の提案をFDAに提出する予定だ。同社はFDAとの討議に期待しているという。