エーザイは3月31日、抗癌剤エリブリンについて、局所進行性・転移性乳癌を対象に、日本、米国、欧州でそれぞれ承認申請を行ったと発表した。

 エリブリンは、エーザイが創製した新規化合物で、クロイソカイメンから単離された天然由来化合物ハリコンドリンBの合成類似化合物。タキサン系抗癌剤は微小管を安定化することで細胞分裂を阻害するのに対し、エリブリンは脱重合を抑制せずに微小管の伸長を阻害することによって細胞周期を停止させる、新規メカニズムを有する微小管ダイナミクス阻害剤。

 今回の申請に用いた主なデータは、グローバルで実施されたフェーズ3試験(EMBRACE試験:Eisai Metastatic Breast Cancer Study Assessing Physician's Choice Versus E7389)によるもの。EMBRACE試験は、少なくとも2種類の癌化学療法(アントラサイクリンおよびタキサン系抗癌剤を含む)による前治療歴のある、局所再発性・転移性乳癌患者762人を対象とした、多施設、無作為化、非盲検、並行2群間比較試験。患者をエリブリン投与群と治験医師選択療法施行群の2群に分け、エリブリン群には、21日間を1コースとし、各コースの第1日目と第8日目に、エリブリンを静脈内に投与した。治験医師選択療法施行群には、癌治療の適応を持つ単剤化学療法、ホルモン療法、生物学的薬剤療法、もしくは緩和療法、放射線療法が含まれた。

 試験の結果、エリブリン投与群は、治験医師選択療法施行群に比べ、主要評価項目である全生存期間を統計学的に有意に延長した。エリブリン投与群で高頻度に認められた有害事象は、無力症、好中球減少症、脱毛症、悪心、末梢神経障害などだった。

 また、アントラサイクリンおよびタキサン系抗癌剤による前治療歴のある進行・再発乳癌の患者を対象として日本で実施されたフェーズ2試験でも、エリブリン投与群は高い奏効率を示し、良好な忍容性プロファイルだった。