独Bayer社は3月10日、磁気共鳴画像装置(MRI)を使って乳癌を診断する乳腺MRIの際に、ガドリニウム含有MRI造影剤である「Gadovist」(ガドブトロール)を用いた場合の安全性と有効性を評価する国際的なフェーズ3試験を開始したと発表した。

 この製品は既に、中枢神経系、肝臓、腎臓のイメージングや2歳以上の小児と成人の血管のイメージングに用いられている。

 オープンラベルの非無作為化フェーズ3試験は、新たに乳癌と診断され造影乳腺MRIを受けることになった女性を対象に行われる。Gadovistを用いて得られたMRI画像を他の画像診断法(非造影MRIやX線マンモグラフィーなど)の結果と比較し、診断の精度を評価する試験設計になっている。

 乳腺MRIの診断能力は、造影剤の有効性に強力に依存する。Gadovistは、現在市販されている造影剤に比べ体積当たりのガドリニウムの含有量が2倍で、MRI 造影剤の信号増強効果の指標であるT1緩和度も高いことから、どのガドリニウム含有造影剤よりも高信号を得られる。少ない注射量で質の高い画像の描出を可能にする造影剤は、乳癌の診断のみならず、治療に対する反応の評価などにも役立つと期待されている。