米Celsion社は3月1日、大腸癌肝転移患者を対象に、ドキソルビシンを熱感受性リポソームに封入したDDS製剤である「ThermoDox」とラジオ波焼灼療法(RFA)による無作為化フェーズ2試験を開始すると発表した。

 ThermoDoxに使われた熱感受性リポソームは、40〜42度の熱が加わると分解され、封入された抗癌剤が放出される仕組みだ。肝癌の治療にはラジオ波焼灼療法(RFA)が用いられるが、ThermoDoxをRFAの前に点滴静注し、その後、RFAを施行する。これにより標的とする腫瘍に高濃度の抗癌剤を送り、局所制御できると期待されている。

 ThermoDoxとラジオ波焼灼療法併用のフェーズ1試験は、大腸癌肝転移を含む肝癌患者24人を対象に行われ、その安全性が確認された。フェーズ2試験の治験責任医師であるMontefiore Medical CenterのSteven K. Libutti氏は、「ThermoDoxによる治療は、肝転移、特に生存率が低い大きな腫瘍に対して有用であると考えている」と述べている。

 試験はMontefiore Medical Centerのほか、北米や日本を含むアジア太平洋地域の少なくとも2カ所の研究施設で行われ、2010年下半期には開始される見込みだ。

 なお、国内においては、ヤクルト本社がCelsion社から日本におけるThermoDoxの独占的なライセンスを得ている。現在進行中の原発性肝癌患者を対象にした多国籍フェーズ3試験には、日本の施設も参加している。