英GlaxoSmithKline(GSK)社は2月19日、ラパチニブの適応拡大承認とパゾパニブの条件付き製造承認について、欧州医薬品庁(EMEA)の欧州医薬品委員会(CHMP)が肯定的な見解を示していることを発表した。

 ラパチニブの適応拡大は、ホルモン受容体陽性かつHER2(ErbB2)を過剰発現している閉経後の転移性乳癌患者にアロマターゼ阻害剤と併用で投与するもの。一方のパゾパニブの条件付き承認は進行性腎細胞癌患者のファーストライン治療として、またサイトカイン療法の治療歴がある患者に投与するもの。

 ラパチニブに対する肯定的な見解の根拠となったのは、フェーズ3試験のEGF30008試験。この試験では、ホルモン受容体陽性の転移性乳癌で、HER2/ ErbB2を過剰発現している可能性がある患者と過剰発現の可能性がない患者を対象として、レトロゾールとラパチニブを併用で投与し、レトロゾールとプラセボを投与した群と比較した。トラスツズマブやアロマターゼ阻害剤による治療歴がある患者は除外した。

 その結果、ホルモン受容体陽性かつErbB2を過剰発現している患者において、レトロゾールとラパチニブの併用で無増悪生存期間(PFS)は有意に改善し、中央値は8.2カ月だった。レトロゾールとプラセボを投与した群では3カ月だった。

 安全性については、進行性または転移性の乳癌において過去に報告されたラパチニブの試験と同様で、下痢、発疹、嘔気、嘔吐などが多くみられたが、多くはグレード2以下だった。

 パゾパニブに対する肯定的な見解の根拠となったのは、薬物療法の治療歴がない、またはサイトカイン療法が無効だった進行性腎細胞癌患者を対象としたフェーズ3試験だった。

 サイトカイン療法の治療歴に関わらず、パゾパニブはプラセボと比べて有意にPFSを改善した。パゾパニブを投与した患者全体ではPFSの中央値は9.2カ月、プラセボを投与した患者では4.2カ月だった。治療歴がない患者に限ると、パゾパニブを投与した患者のPFSの中央値は11.1カ月、プラセボを投与した患者では2.8カ月だった。サイトカイン療法の治療歴がある患者ではPFSはそれぞれ7.4カ月と4.2カ月だった。

 この試験でみられた有害事象の多くは軽度から中等度で、最も多かったのは下痢、高血圧、髪の毛の変色などで、グレード3以上の下痢と高血圧が各4%に、無力症が3%に発現した。薬剤誘発性の肝逸脱酵素の上昇もみられたが無症候性で、治療開始から4カ月以内の発現だった。蛋白尿や手足症候群などのVEGF阻害剤によくみられる有害事象は10%未満の発現だった。

 なおパゾパニブに関しては、スニチニブとの比較に関するデータの提出が要求されており、現在試験が行われている。