看護師の人数が限られ、業務も煩雑なため、個々の患者のアセスメントや指導を行うのに十分な体制がなかなか組めない――。2月13日から14日に静岡市で開催された第24回日本がん看護学会学術集会で、同学会がん看護技術開発特別委員会は外来化学療法についてこんな調査結果を発表した。全国の病院を対象に外来化学療法看護の実態を尋ねた2005年の同様の調査と比べて、実施施設が増える一方で、認定看護師や専門看護師の育成、施設内における看護師の適正配置といった体制整備はなかなか進んでいないという実態が改めて明らかになった。

 調査は全国の400床以上の病院(精神病院や老人病院を除く)とがん診療連携拠点病院の762施設を対象に2009年3月に実施。外来化学療法に携わる部署の責任者(看護師)に対し、化学療法看護の現状と課題を尋ねた。回答施設は375施設(回答率49.2%)だった。

 375施設のうち、外来化学療法を実施しているのは361施設で、外来化学療法加算を算定しているのは340施設だった。これら340施設の通院治療センターにおけるベッド数(リクライニングチェアも含む)を尋ねると「6〜10床」が最も多く(43%)、平均は10.4床だった。1日の患者数は平均13.9人だった。専任看護師数の平均は2.2人で、56%が「1〜2人」だった。

 外来化学療法を行っている361施設のうち、治療開始前に患者の身体的アセスメントを「常に行っている」施設は78%、心理社会的アセスメントを「常に行っている」施設は32%だった。薬物の有害反応に対するセルフケア支援を「常に行っている」施設は60%。ほかの施設は「患者によって」あるいは「時々」の実施だった。指導の内容についても、「内容を統一している」施設は52%にとどまり、残りの48%は「個々の看護師が独自に指導している」という状況。外来化学療法責任者の多くが課題として挙げたのは「看護師の知識・力量不足」「ケア時間の不足」だった。

 これらの結果は外来化学療法の看護ケアの施設間格差が存在することを示唆し、ケアの標準化のための方策が望まれる。日本がん看護学会がん看護技術開発特別委員会は、その方策の1つとして開発した「外来がん化学療法看護の手引き」も学術集会で紹介し、近く学会員向けに配布することを明らかにした。