リンパ節転移陽性食道癌に対する導入化学療法として、DCF療法(ドセタキセル、シスプラチン、5-FU)の、シスプラチンと5-FUの量を減らした「mDCF療法」が有効であることが明らかになった。2月19日から20日に福岡市で開催された日本消化管学会で、熊本大学消化器外科講師の渡邊雅之氏が発表した。

 渡邊氏らは2008年7月から2009年12月に初回治療を行った食道癌患者で、術前診断でリンパ節転移陽性だった患者を対象に導入化学療法としてmDCF療法を実施した。対象症例は51人でクリニカルステージ2期が5人、3期が24人、4a期が18人、4b期が4人だった。

 投与スケジュールは、ドセタキセル60mg/m2を1日目、シスプラチン6mg/m2と5-FU350mg/m2を1〜5日目に投与し、2週間休薬する。これを1コースとして、原則として2コース行った。

 mDCF療法2コース終了後の1ポイントで、RECIST基準による転移リンパ節に対する効果を調べたところ、完全奏効(CR)が10%、部分奏効(PR)が51%、安定状態(SD)が39%で、奏効率は61%、病勢コントロール率は100%だった。クリニカルステージ別の効果とその後の治療は、2期/3期はCRが17%、PR42%、SDが41%で、手術を29人中20人が受けた。4a期はPRが50%、SDが50%で18人中7人が手術を受けた。4b期は4人全員がPRだったが手術を受けた患者はいなかった。原発巣への効果をFDG-PET検査での原発巣のSUV値(Standardized Uptake Value;標識RIによる関心領域の放射線強度が体内組織の何倍かを示す指標)で評価したところ9割の患者で減少していた。

 手術を受けた27人で組織学的治療効果を調べたところ、生残しうる癌細胞を認めないグレード3が11%、生残しうる癌細胞が3分の1未満のグレード2が15%だった。27人のうちmDCF療法を受けることによってリンパ節転移がなくなった患者は38%に上った。

 主な有害事象はグレード3/4の好中球減少が43人、発熱性好中球減少が8人だった。