カナダOncolytics Biotech社は2月16日、白金系抗癌剤抵抗性の頭頸部癌患者を対象とした、ヒト・レオウイルスを用いた静注薬「REOLYSIN」と化学療法(パクリタキセル、カルボプラチン)との併用のフェーズ3試験に関し、英国医薬品庁(MHRA)から実施許可の書面を受け取ったと発表した。米国においては同様の試験が昨年、SPA(特別プロトコール査定)に基づいて米食品医薬品局(FDA)と合意に達している。

 REOLYSINは、細胞障害性薬剤として働くヒト・レオウイルス製剤。レオウイルスは、癌遺伝子Rasが活性化した腫瘍細胞において特異的に複製され、最終的に腫瘍細胞を死滅させる。

 フェーズ3試験は、多施設共同無作為化二重盲検試験として、REOLYSINと化学療法(パクリタキセル、カルボプラチン)の併用と化学療法単独を比較する。対象は転移性もしくは再発の頭頸部扁平上皮癌あるいは鼻咽頭扁平上皮癌で、白金系抗癌剤をベースとした化学療法で進行した患者。

 3週置きの投与スケジュールで、パクリタキセルとカルボプラチンは第1日目に投与し、REOLYSINもしくはプラセボは第1日目から5日目に投与する。8サイクルまで継続し、その後は病勢進行まで、あるいは投与中止基準に達するまで継続投与する。主要評価項目は全生存、副次評価項目は無増悪生存、奏効率、奏効期間、さらに併用療法における安全性と忍容性としている。

 試験は2段階からなる適応型デザインの試験(adaptive trial design)で、第1段階には80人を登録し、その結果に応じて、第2段階では100〜400人を登録する設計となっている。なお統計的には第2段階で195人が登録される可能性が高いという。同社は第1段階を、米国、英国、ベルギーのおよそ25施設で実施する。

 今回のフェーズ3試験の実施は、英国で行われたフェーズ1、2試験の良好な結果に基づくもの。2009年11月の発表によれば、REOLYSIN併用の奏効率は42%、病勢コントロール率は74%であった。また前臨床試験においても、タキサン系抗癌剤や白金系抗癌剤との併用で相乗効果が確認されている。