米Amgen社は2月8日、進行性前立腺癌で骨転移がある患者を対象とするdenosumabとビスホスフォネート製剤ゾレドロン酸(以下、ゾレドロン酸)の2剤を比較したフェーズ3試験で、主要評価項目と副次的評価項目を達成したと発表した。

 Denosumabは、骨関連事象(SRE)の初回発生までの期間を延長し(ハザード比0.82、95%信頼区間;0.71‐0.95)、SREが複数発生する割合を減少させ(ハザード比0.82、95%信頼区間;0.71‐0.94)、ゾレドロン酸に対して優越性を示した。いずれも統計学的に有意だった。

 Denosumabは完全ヒトモノクローナル抗体製剤で、間質細胞や骨芽細胞に発現し、破骨細胞の分化に重要なタンパク質RANKLに特異的に結合する。

 今回実施されたのは国際的なフェーズ3無作為化二重盲検試験で、進行性のホルモン抵抗性前立腺癌で骨転移がある患者1901人(平均年齢71歳)を対象に、denosumabとゾレドロン酸の効果を比較した。対象は1対1の割合で、denosumab120mgを皮下注射で4週ごとに投与する群と、ゾレドロン酸4mgを15分以上かけて静脈内注射で4週ごとに投与する群に無作為に割り付けた。

 治療の成功は、骨転移による骨合併症、すなわちSREが減少または遅延するかどうかで判定した。この試験の主要評価項目は、SREの初回発生におけるdenosumabのゾレドロン酸に対する非劣性の評価とした。副次的評価項目は、SREの初回発生および再発生についてdenosumabのゾレドロン酸に対する優越性を評価することと、安全性と忍容性を評価することとした。

 有害事象の発生率は両群間で同様であった。顎の骨壊死が発生したのは少数で、denosumabを投与した群で22人、ゾレドロン酸を投与した群で12人にみられ、統計学的有意差はなかった。過去の進行癌の試験と同様、低カルシウム血症はdenosumabを投与した群に多く報告された。全生存期間と無増悪期間は両群で同等だった。

 Amgen社研究開発部の執行副社長、Roger M. Perlmutter氏は 「今回の試験結果により、転移性前立腺癌患者の骨合併症の出現を遅らせるdenosumabの効果が証明された」と話した。

 本試験は、denosumabの骨転移に対する効果について、計5700人を超える進行癌患者で検討する3件の大規模試験の最終試験である。過去2件の試験結果は2009年9月に報告され、前立腺癌に対する有効性と安全性の全データは、6月上旬に開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告される予定だ。