NCCN(National Comprehensive Cancer Network)は1月29日、悪性胸膜中皮腫に関する診療ガイドラインを新たに発行したと発表した。さらに薬剤や生物製剤の使用に関して記述した「NCCN Drugs & Biologics Compendium」に、新たに中皮腫(mesothelioma)の章を加えたことも明らかにした。

 中皮腫は、米国では毎年約2500人が発症すると推定されている比較的稀な癌だが、治療は難しく、生存期間はおよそ1年といわれている。胸膜中皮腫はアスベスト曝露が関与していることが知られており、日本では中皮腫による死亡率が男性で増加傾向にある。

 治療には、手術、放射線療法、化学療法がある。臨床病期2期もしくは3期の手術可能な場合、全身状態が良好な患者(PSが0)では集学的治療が行われている。NCCN診療ガイドラインでは、悪性胸膜中皮腫の治療経験のある医療チームが管理にあたることを勧めている。

 化学療法の一次治療としては、シスプラチンとペメトレキセドの併用が、エビデンスレベルが高い「カテゴリー1」として推奨されている。このほか、ペメトレキセドとカルボプラチンの併用、ゲムシタビンとシスプラチンの併用、ペメトレキセド単剤、ビノレルビン単剤が一次治療のレジメンとして挙がっている。

 なお、国内では2007年に、ペメトレキセドがシスプラチンとの併用で、悪性胸膜中皮腫の治療薬として承認されている。

 NCCNはまた、胸腺腫に関する診療ガイドラインを更新し、放射線療法における照射線量や照射野、照射技術などの改訂を盛り込んだ最新版も発表した。これに伴って、「NCCN Drugs & Biologics Compendium」の胸腺腫(thymic malignancy)の章も更新された。