米疼痛財団APF)は1月28日、癌性突出痛に関するオンライン調査の結果を公表した。突出痛は、患者を恐れさせ、生活の質を低下させ、患者を経済的に圧迫していることが明らかになり、有効な管理法の確立が緊要であることを示した。

 癌性突出痛とは、鎮痛薬を使用していても突然現れる一過性の強い痛みのことをいう。30分程度持続することが特徴の1つ。

 この調査はAPFがHarris Interactive社に依頼して2009年10月に実施したもの。対象は成人の癌患者または癌サバイバーで、癌関連疼痛があり、疼痛に対する治療を受けており、突出痛を経験したことがある人々。突出痛が患者の生活の質、癌治療、治療に関わる費用に及ぼす影響を調べたのは、今回が初めて。

 調査ではまず、突出痛の強度を10段階(数字が大きいほど痛みは強い)で評価するよう求めたところ、患者の53%が、8、9、10のいずれかの数字を選んだ。44%は痛みの管理が十分に行われていないと回答し、91%は突出痛が適切に管理されれば、生活の質は大きく改善すると考えていた。

 突出痛は、患者の睡眠を妨げるだけでなく、家族との関係を悪化させることも少なくない。また、家事の能力を低下させ、以前は楽しめた活動に参加する意欲を削ぐことにもつながる。調査では、突出痛により「月に1回以上熟睡が途切れる」と回答したのは73%、「家事の能力が低下」は76%、「活動への参加の意欲が低下」は83%と多かった。

 突出痛は治療に影響し、経済的にも患者を苦しめていた。約66%の患者は痛みのために余分に薬剤を使用しており、51%は受診回数を増やしていた。73%は突出痛によって1日当たりの医療費が増加したと回答し、67%は突出痛により金銭的な問題を経験、37%は医療関連の借金が増えたと述べた。

 着目すべきは、医療従事者の突出痛に対する意識が薄いことも明らかになった点だ。癌または癌性疼痛により医療機関を受診している患者の95%は、少なくとも1回は突出痛について医療従事者と話し合っていた。うち52%が、突出痛は癌または癌治療に起因する副次的な影響だとの説明を受けていた。

 APFは、突出痛を癌の副次的な影響ととらえるべきではないという。通常の用量の鎮痛薬を使用していても発生する突出痛の管理については、今後研究を進めて、最も有効な治療法を見い出す必要がある。

 調査結果を受けてAPFは、突出痛に対する注意を喚起するために新たな教育イニシアチブを開始する計画だ。その一環として以下のリソースの提供を開始するという。

 1)突出痛の基礎、疼痛管理向上のための情報、治療の選択肢、一般的な質問に対する回答などを掲載したオンライン・ツールキットを提供。
 2)患者と医療従事者を対象にオンライン・セミナーやチャットの場を提供。
 3)APFの季刊紙に突出痛に関する記事を掲載、癌の痛みと闘うための10の方法も提供。
 4)癌専門医や医療従事者に討論の場を提供し、突出痛に関する意見交換を助ける。