スイスHoffmann-La Roche社は1月28日、HER2が強く発現した転移性胃癌患者に対し標準的な化学療法とトラスツズマブの併用について、欧州委員会から承認を獲得したと発表した。

 承認は、国際共同臨床試験であるToGA試験のデータに基づいて行われた。わが国もToGA試験に参加しており、2010年に申請する予定であることが公表されている。わが国での最新の状況は2月3日発表される中外製薬の決算説明会で公表される見込み。

 ToGA試験は3807人の患者からHER2陽性の810人を選び出し、さらにその中から進行胃癌患者584人を2群に分けて行われた。標準療法のみ群(290人)は、5FUまたはカペシタビンにシスプラチンを投与された。標準療法に加えてトラスツズマブを投与された群は、294人で構成された。

 カペシタビンは、1日2回1000mg/m2を3週間置きに1日目から14日目まで投与することを6回繰り返した。5FUは、3週間置きに1日当たり800mg/m2を1日目から5日目まで持続静注することを6回繰り返した。シスプラチンは3週間置きに80mg/m2を6回投与した。トラスツズマブは最初の1回は8mg/kgを投与し、その後は増悪するまで3週間置きに6mg/mgを投与し続けた。

 主要評価項目は全生存期間(OS)で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、増悪までの時間(TTP)、臨床利益率、安全性などだった。

 全生存期間中央値は標準療法のみ群が11.1カ月だったのに対して、トラスツズマブを加えた群は13.8カ月で、ハザード比0.74(95%信頼区間0.60-0.91) p=0.0046で統計学的に有意に延長していた。HER2発現の程度がより高い患者では、全生存期間中央値はトラスツズマブと化学療法を受けた場合は16カ月で、化学療法のみの投与を受けた場合は11.8カ月だった。

 抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が標準療法のみ群で2.4%、トラスツズマブを加えた群で5.4%、部分奏効(PR)が標準療法のみ群で32.1%、トラスツズマブを加えた群で41.8%で、奏効率は標準療法のみ群が34.5%、一方のトラスツズマブを加えた群は47.3%となった。