KRAS遺伝子に変異がない野生型の転移性大腸癌mCRC)の患者とKRAS遺伝子に変異がある変異型のmCRC患者に対して、完全ヒトモノクローナル抗体パニツムマブFOLFOXと併用投与した場合とFOLFOXを単独で投与した場合を比較した無作為化フェーズ3試験、PRIME試験の最新結果が明らかとなった。1月22日から24日まで米オーランドで開催された2010 Gastrointestinal Cancers SymposiumASCO GI)で、イタリアOspedale Niguarda Ca'GrandaのS.Siena氏が全生存期間の最新データを発表した。

 PRIME試験は、mCRC患者のKRAS遺伝子変異の有無に焦点を当てた初めての前向きフェーズ3試験。当初は全ての登録患者で治療効果を比較する予定だったが、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体の結腸・直腸癌に対する効果がKRAS遺伝子変異の有無と関連することが明らかになってきたため、試験計画が変更された。mCRC患者のKRAS遺伝子変異の有無に焦点を当て、ファーストライン治療でパニツムマブとFOLFOX4を併用する群と、FOLFOX4単独群を比較する試験となった。

 試験に参加したのは1183人で、併用群に593人、単独群に590人が割り付けられた。KRAS遺伝子変異の有無を確認できたのは併用群92%、単独群93%であった。併用群、単独群ともに、KRAS野生型の患者は60%、遺伝子変異を認めた患者は40%であった。

 パニツムマブ6.0mg/kgは2週間ごとに、FOLFOX4も併用群、単独群ともに2週間ごとに投与した。

 主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)の中央値をKRAS野生型の患者で比較すると、併用群9.6カ月、単独群8.0カ月で、ハザード比0.80(95%信頼区間;0.66-0.97、p=0.02)で、パニツムマブを併用した群で統計学的に有意にPFSが延長した。

 全生存期間(OS)中央値は、KRAS野生型では、併用群が23.9カ月(95%信頼区間;20.3-28.3)、単独群が19.7カ月(95%信頼区間;17.6-22.6)、ハザード比0.83(95%信頼区間;0.67-1.02、p=0.07)で統計学的には有意ではないが、併用群に延長傾向が認められた。

 奏効率については、KRAS野生型の場合、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定状態(SD)、疾患の進行(PD)は、併用群でそれぞれ0%、55%、30%、7%だった。単独群ではそれぞれ0.3%、47%、36%、11%で、奏効率では有意差はなかった。

 一方、遺伝子変異を認めた患者では、PFSは併用群7.3カ月、単独群8.8カ月でハザード比は1.29(95%信頼区間;1.04-1.62、p=0.02)と併用群が悪い傾向にあった。OSも併用群15.5、単独群19.3カ月でハザード比は1.24(95%信頼区間;0.98-1.57、p=0.07)で併用群が悪い傾向が認められた。

 グレード3以上の有害事象の発現は、KRAS野生型では併用群84%で単独群69%よりも多かったが、新たに報告された有害事象はなかった。併用群では皮膚毒性(36%)、好中球減少(42%)、下痢(18%)などが多く、単独群ではそれぞれ2%、41%、9%であった。